中古物件は断熱をチェック!

 

中古物件は断熱をチェック!


先週に引き続き、今週も不動産選びとお金の話です。

くどいなあと思いつつ、重要なことなのでつい何度も書きたくなってしまうんです・・・。

八ヶ岳界隈には別荘が多いので、中古物件も「永住用」と「別荘用」に大別されます。

大きな違いは、冬を過ごせるようになっているか。
窓ガラスの仕様や断熱材の厚さなど、冬を過ごすための性能が大きく違います。

ここで注意が必要です!
建築のプロとして、ぜひ皆さんに伝えておきたいことがあります。
失敗して田舎暮らしにケチがつかないよう、ぜひ物件の申込みをする前に読んでください。

実際の事例でご紹介しましょう。
移住希望の方が、森の中の築25年の中古別荘の申し込みをされました。
私のところに相談が来たので、念のため図面を送ってもらいました。
(なかなか不動産会社は出してくれませんが、粘り強くお願いすると出てきます)

すると、断熱材が天井に100mm、壁は50mm。床には1mmも入っていませんでした。
これは・・・
通常の温暖地域の断熱か、見方によってはそれ以下とも言える仕様です。
先に住んでいる人は「ストーブを入れて暖かく住んでいます」とおっしゃったのですが、標高1000mの場所でこれだと、仮に薪ストーブをガンガン焚いたとしても、断熱が弱い壁×森の湿気という条件を考えると、壁の中は結露でぐちょぐちょになっているはずです。

こういう物件を「買うな」と言っているわけではありません。
「その分の補修費も計算に入れておく必要がある」ということです。
壁・天井・床の断熱をやり直し、土台・柱まで補修すると400~500万かかることもあります。
場合によっては土台や柱の補修も必要かもしれません。

その費用も見越した上で、慎重に購入を検討してください。

残念ながら、不動産仲介の会社は建築の知識があまり無いので、「ストーブを入れれば暖かく住めますよ」と案内しがちです。

彼らも悪気があるわけではありません(たぶん・・・)ので、お互いが気持ちよく取引をするには、買う側が知識をつけるしかないですよね。
(といっても限界があると思うので、こういったお手伝いをはじめた次第ですが・・・)

気になる物件がある方はご相談にのりますので、遠慮なくお問い合わせください。